レーザー治療の利用と現状

レーザー治療の歴史

レーザーの生みの親はアメリカのタウンズといわれています。その後、開発競争が始まり、多くの研究者や学者がレーザーの研究に参加しました。その中で、1960年にルビーの結晶でレーザー光発振に成功したアメリカのメイマンが実質上の発明者だとされています。その後、アメリカや旧ソ連で工業・通信・軍事用にレーザーが開発されていきました。

医療分野への応用も早く、メイマンが成功した翌年の1961年には、アメリカの眼科で網膜剥離の手術にレーザーが使われ、1970年には膀胱結石の手術にレーザーが使われました。日本には、1980年前後に眼科からレーザー医療が始まったといわれています。現在では、日本でも多くの医療分野でレーザー技術が応用されるようになり、多くの人々に利用されています。

レーザー治療の現在

現在医療用レーザーはガンの手術や早期発見、糖尿病性網膜症や緑内障の手術、重症の狭心症の手術など、様々な分野で利用されています。日本臨床医療レーザー協会には、整形外科・耳鼻科・外科・泌尿器科・皮膚科・眼科・歯科の分野でレーザー治療を行っている病院が加盟しています。

現在はちょうど、未知の部分が多かったレーザー技術が確実で安全な医療技術として確立されつつある時期です。協会に加盟する病院の多くは豊富な実績を持ち、その有効性はマスコミ等にも多く取り上げられています。

ただし、解決していかなくてはならない問題が一つあり、それは健康保険が適用されていない分野が多いという事です。未だにレーザー治療の多くは自由診療で、レーザー機器のコストが高いため、どうしても料金が高くなってしまいます。ただし、この問題もレーザー機器の開発に伴いコストパフォーマンスが進めば、将来的には改善されるはずです。

レーザー治療の将来

1,ガン治療などの難病の治療に活躍する医療レーザー

ガン治療には内視鏡を体内に入れて、モニターを見ながらレーザー照射を行ってガン細胞を破壊するレーザー内視鏡や、血液にガン細胞だけに取り込まれる色素を入れて、レーザー照射をし、ガンの早期発見をするなど、レーザーによる治療が主流となる可能性も考えられます。

2,診断や測定に活用されるレーザー

将来的にレーザーは治療だけでなく、レーザーCTやレーザー顕微鏡、血液を測定するレーザードップラーなど、診断や測定の分野でも普及していくものと考えられます。

3,介護分野での活躍も期待される医療レーザー

介護の分野においても、既に寝たきりの人の床ずれにレーザーが活用され、効果を発揮しているようです。在宅医療用にポータブルなレーザー機器が誕生して、医師や看護婦がそれを携帯して訪問介護に用いるなどの利用も考えられます。

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