レーザーに関する基礎知識

レーザー光とは

「レーザー」の「LASER」とは、「誘導放出による光の増幅」という意味の「Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation」の頭文字を取ったものです。誘導放出ですので、自然に発生する光ではなく、ある方向へ人工的に導き出された光ということです。

特殊な装置を使ってルビーなどをはじめとしたレーザーを作るもとになる発振物質に外から強い光を当てることで、発振物質の原子から誘導的に無数の同波長光子を同時発生させます。この無数の光子が拡散せずに同じ方向にまとまって出る為に、遠くまで届く、高いエネルギーを持った光エネルギーになります。

こうして発生したレーザー光は、単色で集光性に優れているので、レンズによって目標を一点に絞ることが出来ます。これによってエネルギー密度をさらに高める事が出来るので、他の光では考えられないほどの高いエネルギーになります。

レーザー光の性質は

  1. 単色性
    光の色は波長で決まりますが、レーザーは同じ波長の光子の集まりなので単色です。
  2. 指向性
    レーザーの光子は平行して同じ方向に進む指向性を持っています。
  3. 集光性
    指向性があるため、レンズで平行光線を一点に絞る事が出来ます。

様々な分野に広がるレーザー治療

切開・切除作用 ・外科的手術
・脳や内耳などの細かな手術
・いびきの治療での口蓋垂の切開
砕石作用 ・尿路結石の治療
レーザーを照射して結石を細かく砕きます
組織蒸散作用 ・椎間板ヘルニアの治療
・ウオノメやタコの除去
椎間板の髄核やウオノメやタコの組織を蒸散させて除去します。
微小組織破壊作用 ・ホクロやシミ、アザの消去
・永久脱毛
皮膚組織のごく小さな部分を破壊します。
微小切開作 ・緑内障の治療
目の虹彩を切開し眼圧を下げます。
光凝固作用 ・網膜剥離の治療
眼球からはがれた網膜を光凝固してくっつけます。
角膜薄削作用 ・近視や乱視、遠視の治療
角膜を薄く削って屈折率を変えることによって治療します。
組織変性作用 前立腺肥大症の治療
前立腺を変性させて肥大を縮小させます。
・花粉症やアレルギー性鼻炎の治療
鼻粘膜の組織を変性させることで症状を緩和させます。
刺激作用 ・炎症や痛みを抑える
・傷の治癒力を高める
低出力レーザーで炎症部や創傷部に刺激を与える
温熱作用・光化学療法 ・ガンに対する治療
温熱療法はレーザーで熱を加えることでガン細胞を死滅させる。
光化学療法は光活性物質(光に敏感な物質)を静脈注射してガン細胞に集積させ、非常に低出力のレーザーを当てる。光活性物質がレーザーに反応して制ガン作用となる。
血管縫合作用 ・血管を縫い合わせる
手術時にレーザー照射で血管を縫い合わせ、血管をつなぎ合わせます。
内視鏡との併用 内視鏡にレーザーを組み込んで、レーザーを照射させて、開胸や開腹をせずに出血部の凝固や組織の切除をします。
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